今回は私が子どもを保育園に入れて働くことに悩んだ時、どのように考えたかについてお話しようと思います。
私の息子2人は当時3歳・10ヶ月で、求職中で保育園の申請を出していました。
保育園に決まったのは予想外であったため、改めて
下の子はまだ0歳なのに、保育園へ入れるのはやはりかわいそうではないだろうか?
という点に悩みました。
上の子を幼稚園に入れるか保育園に入れるかという点も悩みましたが、働くという点では時間的・経済的にも保育園のほうが良いため、上の子は保育園で良いと思っていました。
しかし、下の子はまだ3歳未満。自分としても離れがたいと思っていました。
ですが、結果的には2人とも保育園に入れて働くことになりました。
私の結論として、
保育園は
「子どもを見る目が増える」
「一貫した子育てができる」
そして
「働く姿を見せることは子どもにもメリットがある」
「子どもはいつか大きくなる」
と判断したためです。これからそれをお話しようと思います。
保育園は見る目がふえる
まだ0歳の下の子。まだ卒乳もしていないとてもかわいい時期を、他人に渡してしまうのは、子どももかわいそうではないか、自分としても寂しいと思っていました。
しかし、それは逆に「子どもを愛して保育してくれる人が増える」ということでもあります。
保育者は慣れた対応で、子どもに丁寧に接し、お世話してくれるはずです。
また私たちには思いつかないような遊びや制作などで、楽しませてくれます。
上の子は1歳のときに小規模保育園に預けていたのですが、子どもは保育者をとても信頼し、子ども自身、休日通ると「行きたい!」と泣くレベルで保育園が大好きでした(笑)
また初めての子どもだと、発達・病気の面では特にわからないことが多いです。
しかし保育者はプロ。
「この子の場合は、こうしたら寝ますね」
「もう階段登らせちゃっていいですよ」
「鼻水がよく出ているので、内科よりここの耳鼻科に行ったほうがいいと思います」
その子にあった、具体的なアドバイスにとても助かった覚えがあります。
子育てのアドバイスはネットや相談窓口、ママ友にも相談を受けることはできますが、保育者はプロの目で、普段のその子を見ている分、その子に合ったアドバイスをくれます。
自分では知らなかった子どもの一面も教えてくれることもありました。
保育園に預けることに不安を感じている人の場合、
おそらくは近くに両親や親族など、頼れる存在がいないことが多いのではないでしょうか。(またはいても就労なをしているなどで頼れないなど)私もそうでした。
核家族が多い現在では、子どもを見る目は確実に減っています。そのため、お母さん一人で子育てを抱えがちです。
しかも自分の方法で本当に合っているのか?わからなくなる時は多いと思います。
そんな時、子どもを見てくれる目が増えることで、子育ての悩みを分かち合えますし、その子に対するいろんな見方や方法があることを知れますし、勉強になります。
3歳児神話について
もう3歳児神話が、昔の人が思ってるだけの根拠のない話といわれているのは、周知の事実になってきました。しかし母子愛着という面に関しては、3歳までが特に重要だという科学的根拠はたしかにあるようです。
でも考えてみてください。
昔は家電もないですし自給自足の生活でしたから、お母さんは外に出なくたって、常に働き詰めだったと思うのです。そして兄弟も多く、たくさんの子どもに囲まれて育っていました。近所との距離は近く、地域共同体という意識も強かったはずです。
子どもは、たくさんの人に囲まれて育つのが自然の姿だったのです。
そういう意味では、保育園で多様な、大勢の人の中で育っていくことで社会性を身に着けながら、揉まれながら育っていくことのメリットもあると思います。
家で1対1で母親と過ごすこと、それも大切な時間ですが、育児ノイローゼになる人も出てくるのは、ある意味必然なのかもしれません。昔は育児ノイローゼなんて言葉はなかったはずです。
もちろん、かといって家族、特にお母さんが一番であることに変わりはありません。放任でいいわけなく、仕事のない時は、母や父がなるべくアタッチメント形成に努めることは大切だと思います。私も帰ってからは必ず子どもと遊ぶ時間を最低15分はとりますし、寝るのが多少遅くなってもいいやと割り切って遊ぶこともあります。
みんなそのようにして、働くママたちは頑張っているのだと思います。私の知る限りでは、母が働いているからといって子どもがグレてるわけではありません。(とはいえ世の中には放置子も実際にいるようなので、子どもの様子には気をつけなくてはいけませんね)
私自身、母は私が0歳の時から正社員として働いており、確かに平日遊んだ覚えはないですが、休日はよくバトミントンなどをして遊んでくれました。兄弟もいたのでさみしく思ったことはありませんでした。それが母の姿であり、自分自身も満たされていたからなのかも知れません。
教育姿勢が一貫している
それぞれの家庭の教育方針に基づいて、親が一貫した姿勢を見せることが大切ということは、あらゆる書籍で提唱されています。
しかし、支援センターや友人親子と遊んでいる時、子どもをじいじ、ばあばに遊んでもらっている時などに、子育ての考え方の違いを感じたことはないでしょうか?
なんで?と子どもは混乱しますね。
(家の方針とよその方針は違うことを教える機会にはなると思いますが、小さいうちはまだ理解できないかと思います。)
親自身も、よその子を前にしたり、他の親がいたりするとブレてしまうことがあります。
まだ子どもが遊び始めたばかりで貸したがっていなかったとしても、相手の親の手前、「貸してあげたら」と言ってしまう。逆の立場になった時は、他の子が使っているからだめだよ、と言うのに…
子どもは矛盾した対応に混乱します。
しかし、これが園であれば対応はしっかりしています。
みんな同じ時間におやつを食べますし、規則正しい生活を皆が送っています。
おもちゃのやり取りは、まず子どもの意見を聞き、承認した上で「まっててね」「貸して」「どうぞ」のような魔法の言葉を教えてくれます。
保育園では、園の方針によって基本的には保育士さんの考えも統一されています。
それでも細かいところは保育士さんによって対応はバラバラになってしまう時はあるかもしれませんが、子どもが大きく混乱することは少なくなるのではないかと思います。
働く姿を見せることは子どもにもメリットがある
お母さんが一生懸命頑張っている姿を見て、子どもも頑張ろうと思うようになりますし、また働いているからこそ親が教えられることもたくさんあります。
そして親が忙しいからこそ、子どもも家事を積極的に手伝ってくれるようになります。
お母さんが一生懸命頑張っている姿を見て、
子どもも頑張ろうと思うように
私の母親は県の正職員として遅くまで働いていました。
そのため家事も素早く、多少雑ではありますが(笑)、なんでもできる母という印象がありました。そして同じ女性として、働きながら家も大切にしていた母は、かっこいいと思っていました。
その印象は現在の自分自身にも影響を及ぼしています。
実際、ベネッセ小学生の「尊敬する人ランキング」は、昔はお父さんが上位だったのが、最近では家も仕事も両立するという理由で、お父さんよりお母さんが上位になっているようですね。(2020年は鬼滅の刃に負けてきていますが(笑))
働いているからこそ親が教えられることも
一緒にドライブしている時に、街並みを観察しながら県政やさまざまな制度の仕組みについて教えてくれるので勉強にもなりました。
友人も親が自営業で、経営や経理の仕組み、商売の考え方が勉強になって、今自分も経理をやっていると聞きました。
子どもも家事を積極的に手伝ってくれるように
やはり両親ともに忙しかったので、洗濯物を取り込んだり、洗い物などの片付けをしたり、たまには料理をしたりということもしましたし、できるようになりました。
上履きや水着を自分で洗ったりとかもしました。
今はお手伝いしない子もいるようですが、親が忙しいと、子どもたちも自然とやるようになり、それが普通になっていました。
親は子の鑑といいます。仕事をして一生懸命頑張っている親を、子どもはきちんとみています。
ツイッターでは、教育評論家の親野智可等さんは「子供は親の言うことは聞かないけど、することは真似します」とおっしゃっています。
いろいろ言うよりも、親が背中を見せるのが一番良いお手本なんですね。
子供は親の言うことは聞かないけど、することは真似します。親が叱ってばかりいると、子供は「うまくいかない時は、それを理由に相手を責めればいいんだ」と学んで真似します。これが裏の教育です。うまくいかないことに対して、親が工夫・改善する姿を見せていると、子供も「工夫が大事だ」と学びます
— 親野智可等 (@oyanochikara) March 2, 2021
子どもはいつかおおきくなる
今はまだ手がかかりますが、子どもはいつかは大きくなり、社会へ出ていきます。
子どもが手から離れた後、自分に何が残るのか…と考えた時に
自分の人生=子どもの人生 にするわけにはいかないなと思いました。
子どもが生まれた後は全力育児、子どものために頑張りますし、
子どもの人生に責任を持たねばならないと思うようになります。
しかし子どもだけの人生にしてしまうと、子どもが成長した後、自分のアイディンティティは何かわからなくなってしまいます。こどもは自分の人生は、自分で責任をとっていくようになります。
私の場合は過干渉な親になってしまいそうで(^^;)
それは必ずしも働くことにつなげなくても、子どもだけの人生じゃない、自分の人生や個性を大切にしていこうという意識も、子どもに背中を見せるのに大切なのではないかと思うのです。
現実的な側面ももちろんある
また世知辛い話ですが、一度ブランクを空けてしまうと就職先を選べなくなるのは現実です。
私も専業主婦経験ありますが、子育て中の専業主婦って本当大変で、自分の時間なんてないですし、一日家事全くできない日も普通にあります。
そのためか手際がいい人も多く、仕事をすると出来る人が多い気がします。
そのためブランクのせいで全く就職できないということはないと思います。
ですが、実際に就職しづらくはなりますし、あっても選択肢は狭まるとは思います(専業主婦でも就職しやすい世の中になってほしい)
細々とでも仕事を続けていれば、正社員になれる道もあるかもしれませんし、自己実現にもなり、社会人感覚も失われずにすみます。(専業主婦が社会人感覚が無いという話ではなく、仕事上の感覚の話です)
また、働いていれば夫が亡くなったり、高度な障害を持った時への保険にもなりますし、
子どもが私立の学校へ行きたいなど、やりたいことが合った時に応えてあげることができます。
そして1馬力よりも、2馬力の方が同じ世帯年収であっても、可処分所得が違ってきます。
いくら年収が高くてもその分税金で持っていかれてしまうので、2馬力のほうがトータルの所得は高いことがあります。
いろいろ書きましたが、最後に私が働くことを決意した本をご紹介します。
以前にも紹介しましたが、ワーキングマザーでありながらも、自ら学べる姿勢のある子どもに育てた、入江のぶこさんの著書になります。
まさにお母さんの姿が、子どもに影響を与えたのだなと感じられる本です。
インタビューにて、息子さんが「子どもの自立を望む以前に、まずは親が自立することが大切」と答えていたのが印象的でした。
最後になりましたが、これは私の考えですので、それぞれのご家庭や状況に合わせて考えは異なってくると思います。
ですが私の考えが参考になりましたら幸いです!
後悔しないためには、とことん悩むことが必要だと思います。
それが後になって「あれだけ悩んだのだから、大丈夫」という自信につながっていきます。
ベストな答えを見つけていきましょう。